昔の脱穀







脱穀体験をやった。前回はハーベスターという機械を使ったが、今回は昔の人たちのやり方での『昔脱穀』。
使うものは、稲から籾をとる「千羽こき」と「足踏み脱穀機」、その籾を摺って玄米をとりだす「籾摺り」、手動で風を送り、籾殻やわら屑を飛ばして玄米と分ける「唐箕(とうみ)」や「ふるい」といった道具で、ちょっと手間とコツはいるがどれもよくできていて、先人の知恵と努力と技に感心してしまう。おまけにエンジンやモーターを使わないからきわめてエコなのだ。
始める前に農具の発展について少し勉強した。昔は石などを使って全部手で稲から籾をとっていた事や、自転車のスポークからヒントを得て足踏み脱穀機ができた事を教えていたので、手の空いた子は座り込んで手や石を使って籾をとっていた。取りこぼしなども少なかった。
一人2束ではあったが午後いっぱいかかった。大変な作業ではあったが、楽しみながら先人たちの知恵や苦労を体験することができた。昔はこの何十倍の量を協力してやっていたのだから、すごい労働だった事も想像できる。
かつて農村では、稲作は大勢の人が協力してやっていた。それが助け合い、お互い様という心を育てた。その地域で育つものを食べ、周りの環境をたいせつにしながら暮らしていた。今でいう持続可能な社会が、むかしの日本では実現されていた。とても壮大な目標に思えるSDGsも、やれば楽しみながらできるのだ(稗)